警察官採用試験における倍率‐試験の難易度と倍率の関係性は?過去の年度を比較して解説します。

警察関係

各都道府県警察では毎年採用倍率が公開されています。
この「倍率」ですが、実際は難易度とは比例関係にありません。
職種や業界によりその倍率が示す難易度の信用性に違いはありますが、警察官採用試験の倍率においては殊更重要ではないのです。
その理由は明白です。
「記念受験」「滑り止め」つまりは「なんとなく受験してみよう」と考える学生が多いからです。
警察官は公務員ですので安定しています。
そのため「もしかしたら合格するかもしれない」と考える人物や「本命試験を他に控えた者が暇潰しやリスクヘッジのため」に受験をします。上級職(国家公務員等)を受験する人物からしたら警察官採用試験の教養模試は絶好の足馴らしの機会です。また、就職の希望先が定まらない学生が記念受験する場所としても警察官(公務員)はメジャーだと言えます。その証拠に警察官の採用試験後の辞退者は後を絶たないのです。
上級職(国家公務員等)を受験する人物とは教養試験において分が悪いですが、それでも「きちんと対策」をしていれば「記念受験」するような人物には負けることはないでしょう。

年度受験者数合格者数倍率
平成30年93721599 5.9倍
令和元年63531297 4.9倍
令和2年2960643 4.6倍
令和3年58451027 5.7倍
令和4年5379886 6.1倍 
警視庁Ⅰ類男性

警察官採用試験の申込人数減少傾向にあります。
特にコロナ禍においては例年に比べて申込人数の減少しました(令和2年)。
あくまで著者の持論ですが、コロナが蔓延する中で採用試験を会場まで赴いてまで受けたくない(感染の危険性や関心が逸れたことにより)学生が増えたことに原因があるように思います。
以上より警察官を第一志望(本命)とする学生が実際の受験者数よりも少ないことがコロナ禍という特殊な状況から浮き彫りになったのです。
もう少し噛み砕いて説明しましょう。
例えば、あなたは気になっている異性がいます。
その異性の子に告白しようと考えました。
その異性の子は自分ではない誰かを好きである事実をあなたは知っています。
このとき、あなたの思いが本気(本命)であるのであればリスクを顧みずに告白する選択をするかもしれません。
反対の例えをしましょう。
あなたは、気にもなっていない異性がいました。
「誰でも良いから付き合ってみたい」という思いから告白しようと考えました。
その異性の子には自分ではない誰かと付き合っている事実がありました。
このとき、あなたはリスクを顧みずに告白をしますか?
きっとしないでしょう。
告白をすることで異性の付き合っている相手から嫌われるかもしれません。さらに告白した本人からも避けられてしまう可能性があります。また、相手がいる異性に告白したと周囲から睥睨されてしまうかもしれません。
ですので、本命ではない事柄について人間はリスクを賭けることはしないのです。
警察官採用試験についても、この原理と同じです。
この機会から警察官を本命として受験しようとしている人物は少ないのだということがコロナウイルスが蔓延する前の状況(受験者数)と比較して浮き彫りとなりました。現在はコロナウイルスによる影響が緩和されて採用に関しても以前と遜色がない受験者数が採用試験を受けています。
けども、警察官になることを本命であると考えているあなたのライバルになり得る人物は実際にはコロナ全盛期の受験者数と等しく少ないのです。

【女性の倍率】警察官採用試験を受験する女性は本命受験する割合が男性に比べて多く感じられます。 理由は職業の特殊性からだと言えます。 女性の場合は滑り止めや記念受験にしても「そもそもの」選択肢として警察官を受験する人物が少ないからです。ご存知の通り警察官は他の職種に比べて個性(癖)が強いです。そして、未だに男性社会的な側面や力仕事のイメージがあります。ですので一般的な職種を志望する女性が警察官と併願して受験するケースは少ないのです。そのため、女性の採用倍率の信頼性は高いと言えます。

現在の警視庁では採用倍率5倍近くあります。けども、事前に実施される身辺調査や各種書類選考を踏まえると実際に採用試験における教養試験や体力検査等の実力で振るいに掛けられる母数は極めて少ないように思えます。
持論ですが「身辺調査」等の事前選考でフィルタリングされた後の受験者は既に合格を確約できるような人数に絞られているように感じます。なので、試験を実施する以前の段階で合格する受験者の候補は少なからず選定されているのです。
そのため、倍率が高くとも身辺調査等の事前選考で省かれる人数を踏まえると試験の実力で競う言わば競技人口は少ないと言えます。
もちろん、その競技人口にカウントされるためには多くの条件があります。
あなたが「事前選考で省かれる人物なのか」又は「実力で振るいに掛けられる競技者なのか」どちらにポジショニングしているのかで、大きく試験の難易度が変わるのです。
身辺調査に関する解説は以下の記事で紹介していますから参照してください。


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